📋 この用語の要点(MGK編集部)
ROAS(広告費用対売上)とは、投じた広告費に対してどれだけの売上が得られたかを示す指標です。売上を広告費で割って求め、多くの場合は百分率で表します。広告の出し先や訴求ごとに数字を並べられるため、どこに予算を寄せ、どこを止めるかという判断のよりどころになります。運用型広告のように日々調整できる媒体が増えた今、感覚ではなく数字で広告を語るための共通言語として広く使われています。
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「ROAS(広告費用対売上)」とは
ROASは、広告によって生まれた売上を、その広告にかけた費用で割った値です。読み方は「ロアス」が一般的で、Return On Advertising Spend の頭文字を取った言葉です。広告費を回収できているかどうかを、売上という分かりやすい単位で確認する指標です。
計算式と、CPA・ROIとの違い
計算式は「広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100」です。広告費20万円で売上が80万円なら、ROASは400パーセントとなります。100パーセントは、広告費と同額の売上が立った状態を意味します。
- 100パーセントを下回る場合、売上が広告費に届いていません
- 数字を出す単位は、媒体ごと、キャンペーンごと、広告文ごとなど自由に分けられます
- 期間を変えると数字も変わるため、集計期間をそろえて比べます
CPAは1件の申込や購入を得るためにかかった費用で、件数に注目した指標です。ROASは金額に注目するため、単価の高い商品と低い商品が混在する場合でも全体の効率を見られます。一方でROIは利益を基準にした指標で、原価や人件費を差し引いた後の採算を表します。ROASは売上ベースの数字であり、利益とは別物です。
なぜ重要なのか
広告費は毎月出ていく費用です。中小企業では総額が限られているため、どこに寄せるかの判断が成果を左右します。ROASはその判断を数字で支える役割を持ちます。
予算配分の根拠になり、社内の共通言語にもなる
複数の媒体に少額ずつ出している状態では、どれが効いているのか分からなくなりがちです。媒体別にROASを並べると、伸ばす先と絞る先の見当がつきます。予算の総額を増やさなくても、配分を変えるだけで成果が改善する場合があります。
「反応が良い気がする」という言葉は人によって受け取り方が違います。ROASのように計算方法が決まった数字を使えば、経営者と販促担当、外部の運用会社が同じ土台で話せます。継続や停止の会話も、数字を挟むことで感情論になりにくくなります。
実務での使い方・進め方
ROASは売上を正しく取れて初めて意味を持ちます。Webで完結する販売なら、購入完了時に金額を計測できる状態にしておきます。電話や来店で成約する商売では、問い合わせ経路を記録し、後から売上と突き合わせる運用が必要です。土台が曖昧なまま出した数字は、判断を誤らせる原因になります。
目標ROASの決め方
目標値は業種の相場ではなく、自社の粗利率から逆算します。粗利率が3割の商品なら、広告費を回収するには売上が広告費の3倍以上必要になり、ROASの下限は330パーセント前後です。ここに人件費や送料などを加味して、実際の目標を置きます。
- 粗利率から損益が合う水準を先に出す
- 新規獲得か、リピートを含めた累計かを決めておく
- 判断に使う期間と最低の表示回数や件数を決めておく
発注側が準備すること、判断すること
運用を外部に任せる場合でも、発注側が用意すべきものがあります。商品ごとの粗利率、月にかけられる広告費の上限、成約までの平均日数、そして1件あたりいくらまで払えるかという社内の合意です。これらがないと、報告されたROASが良いのか悪いのか判断できません。逆に言えば、これらを渡せば運用側は目標を明確に持てます。報告を受ける際は、数字の定義と集計期間、どこまでを広告経由と数えているかを確認しておくと、認識の食い違いを防げます。
よくある誤解と注意点
ROASが高い広告ほど良い、という誤解
ROASが極端に高い広告は、そもそも配信量が小さいことが多く、売上の総額としては小さい場合があります。効率だけを追うと事業が伸びません。効率と規模の両方を見て、伸ばせる余地があるかを合わせて考えます。
ROASが黒字を保証する、という誤解
ROASは売上ベースの指標であり、原価や返品、決済手数料は反映されません。数字上は高くても、値引きが重なって利益が残らないことがあります。最終的な採算は、利益ベースの指標で別に確認する必要があります。
すべての広告をROASで測れる、という誤解
認知を広げる目的の広告や、検討期間の長い商材では、その月の売上に表れないことがあります。広告を見てから数か月後に問い合わせが来る場合もあり、短い期間のROASだけで停止を決めると、育っていた需要を失う恐れがあります。目的の違う広告は、別の指標も併せて評価するのが現実的です。
よくある質問
Q. ROASは何パーセントあれば合格ですか。
A. 一律の合格点はありません。粗利率が高い商品なら200パーセント台でも採算が合い、粗利率が低い商品では500パーセントでも足りない場合があります。自社の粗利率から下限を計算し、それを基準にしてください。
Q. 少額でも計測する意味はありますか。
A. 意味はありますが、件数が少ないと数字が大きく振れます。数件の成約でROASが倍になることもあるため、一定の件数がたまるまでは参考値として扱い、早すぎる停止判断は避けるのが無難です。
Q. リピート購入はROASに含めるべきですか。
A. 目的によって分けます。広告単体の即効性を見るなら初回のみ、顧客としての価値を見るなら一定期間の累計で計算します。どちらを使うかを社内で決め、途中で定義を変えないことが大切です。