📋 この記事でわかること
Claude をはじめとする生成AIの導入・社内研修に使える可能性のある公的制度は、2026年度時点で主に2つあります。ひとつが「デジタル化・AI導入補助金2026」(2026年度から名称変更。旧・IT導入補助金)、もうひとつが厚生労働省の「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」です。この記事では、両制度の補助率・上限・対象経費・申請時期を公式資料の記載にもとづいて整理し、Claude の利用料そのものが対象になるかは条件次第であること、AIツールの導入費用を研修費として申請することは公式に否定されていることを含めて、誤解しやすい点を先に潰します。あわせて申請の進め方と、中小企業がつまずきやすい失敗もまとめました。数値はすべて2026年8月時点の公式記載にもとづき、確認できなかった項目は「公式で要確認」と明記しています。
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監修:行政書士 山本 愛(山本愛行政書士事務所/IT導入補助金・ものづくり補助金申請支援)。本記事の制度に関する記載は行政書士の監修を受けています。
「Claude を全社に入れたいのですが、補助金は使えますか」。生成AIの導入相談をいただくと、費用の話とセットでよく出てくる質問です。結論から書くと、「Claude の利用料が必ず補助される制度」は存在しません。ただし、要件を満たす組み立て方ができれば、導入や社内研修の費用の一部に公的制度を充てられる可能性はあります。
この記事は、株式会社エム・ジー・ケイ(M.G.K.)が中小機構(補助金事務局)・厚生労働省の公式資料をもとに整理したものです。数値の根拠はすべて公式ページまたは公募要領・パンフレットのPDFに置き、確認できなかった部分は正直に「要確認」と書いています。制度に関する記載は行政書士の監修を受けていますが、実際に申請できるかどうかは各社の状況によって変わります。最終的な判断は必ず事務局・所轄の労働局にご確認ください。
1. 結論:使える可能性がある制度は主に2つ。ただし要件確認が先
生成AIの導入・研修に関係し得る国の制度は、中小企業の実務としては次の2つに絞られます。
- デジタル化・AI導入補助金2026(正式名称:中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金。旧・IT導入補助金)……登録されたITツールの導入費用が対象。ソフトウェア費・クラウド利用料・導入研修などの役務。
- 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)……訓練の経費と訓練期間中の賃金が対象。ツールの導入費用は対象外と明記されています。
この2つは「補助されるもの」がまったく違います。ざっくり言えば、前者は”モノ(ツール)の導入費”、後者は”人の学び(研修)の費用”です。ここを混ぜて考えると、後述する典型的な失敗にそのままはまります。
1-1. 2制度の早見表(2026年8月時点)
| 制度 | 補助率・助成率/上限 | 主な対象経費 | 確認先(公式) |
|---|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金2026 (通常枠) |
補助率 1/2以内(最低賃金近傍の要件を満たす場合は2/3以内) 補助額 5万円〜150万円未満(業務プロセス1以上)/150万円〜450万円以下(同4以上) |
事務局に登録されたITツールのソフトウェア費、クラウド利用料(最大2年分)、オプション、導入設定・導入研修などの役務(役務は200万円上限) | 中小機構・事務局(通常枠) |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | 50万円以下の部分 3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超350万円以下 2/3以内、機器類 1/2以内。※対象は会計・受発注・決済機能を持つツール(50万円以下=1機能以上、50万円超=2機能以上) | ITツール(〜350万円)、PC・タブレット(〜10万円)、レジ・券売機(〜20万円) | 事務局「2026の概要について」 |
| セキュリティ対策推進枠 | 1/2以内(小規模事業者は2/3以内)/5万〜150万円 | サイバーセキュリティお助け隊サービス等 | 同上 |
| 人材開発支援助成金 (事業展開等リスキリング支援コース) |
中小企業:経費助成 75%+賃金助成 1,000円/人・時間(大企業は60%・500円) 1人あたり経費助成の上限は訓練時間で30/40/50万円 |
訓練にかかった経費と訓練期間中の賃金。AIツールの導入費用は対象外と明記 | 厚生労働省(人材開発支援助成金) |
※すべて2026年8月時点の公式記載にもとづきます。制度内容・金額・締切は変更されることがありますので、最新は必ず公式でご確認ください。通常枠以外の枠の数値は事務局の概要告知ページからの整理であり、各枠の公募要領PDF原文との突き合わせは行っていません。
1-2. 読み進める前に押さえたい3つの前提
① 「IT導入補助金」という名称は2026年度から変わっています。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」、通称「デジタル化・AI導入補助金2026」です。事務局の告知では、ITツール導入にとどまらずデジタル化推進とAI活用の重要性を周知する観点から名称を変更した、と説明されています。検索では旧名称のほうが通りがよいため本記事でも併記しますが、申請書類や社内稟議では現行名称を使ってください。
② 補助対象は「登録されたITツール」に限られます。好きなソフトを買って領収書を出せば補助される制度ではありません。この点は第2章で詳しく書きます。
③ 「研修費」と「ツール利用料」は別物として扱われます。人材開発支援助成金の公式パンフレットには、AIツールの導入費用を研修費として申請できるかのような営業への注意喚起が明記されています。ここは第3章で原文の趣旨をそのまま紹介します。
2. デジタル化・AI導入補助金2026(旧・IT導入補助金)
2-1. 枠は5つ。「AI枠」という独立した枠はない
2026年度の申請枠は、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠の5つです。名称に「AI」が入ったことで「AI専用の枠ができた」と受け取られがちですが、本調査の範囲ではAI専用の独立枠は確認できませんでした。生成AIの導入で最も関係が深いのは通常枠です。
2-2. 通常枠の補助率・補助額
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2以内(最低賃金近傍の従業員に関する要件を満たす場合は2/3以内) |
| 補助額 | 5万円〜150万円未満(業務プロセス1以上)/150万円〜450万円以下(業務プロセス4以上) |
| 役務(大分類Ⅲ)の上限 | 補助対象経費 200万円が上限 |
| 賃上げ目標 | 150万円〜450万円で申請する場合は必須要件(150万円未満は加点項目。ただしIT導入補助金2022〜2025の間に交付決定を受けた事業者は必須) |
※2026年8月時点。補助率2/3の条件は「令和6年10月から令和7年9月までの間で、当該期間の地域別最低賃金以上〜令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合」と公募要領に記載されています。最新は通常枠の公募要領(PDF)でご確認ください。
2-3. いちばん誤解されている「ITツール登録」の仕組み
この制度でつまずく方の大半は、ここを知らずに動き始めています。公募要領では、補助対象経費は「IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用」に限るとされています。つまり流れはこうです。
- 中小企業が、事務局に登録されたIT導入支援事業者に相談する。
- その事業者が登録済みのITツールの中から、自社に合うものを選ぶ。
- 中小企業と支援事業者が共同事業体として交付申請する。
さらに、IT導入支援事業者の登録要件は「登録申請時点において日本国内で法人登記され、日本国内で事業を営み、かつ日本国内に本社を有する法人であること」とされています。この要件から、海外法人であるAnthropic社が支援事業者として直接申請することはできない構造になります。Claude を含むソリューションで申請する場合は、日本国内の事業者(システム開発会社・販売代理店など)が提供主体となり、そのツールを登録している必要があります。
もうひとつ重要なのが業務プロセスの要件です。交付申請では、定義された業務プロセス(共P-01〜各業種P-06)を1種類以上含む必要があり、補助金申請額150万円〜450万円の場合は共P-01〜汎P-07のうち4種類以上が必要です。汎用プロセス(汎P-07 汎用・自動化・分析ツール)だけを持つツールは、単独では交付申請できません。汎用の対話AIとしてのみ登録された場合、この汎P-07に該当する可能性があり、その場合は業務プロセスを持つ別のITツールと組み合わせる必要が出てきます。
※2026年8月時点。詳細はITツール登録要領(PDF)および事務局公式サイトでご確認ください。
2-4. クラウド利用料は「最大2年分」。対象外の経費にも注意
費用面で押さえておきたいのは、サブスクリプション形式のソフトウェアについて最大2年分の利用料が補助対象になり得るという点です。生成AIの多くは月額・年額のSaaSですから、登録ITツールであればこの枠組みに乗る構造です。また、導入設定・マニュアル作成・導入研修はカテゴリー6(役務)として、対になるソフトウェアを導入する場合に限り申請できるとされています。
一方で、対象外になる経費も明確に列挙されています。実務で効いてくるのは次のあたりです。
- 交付決定前に購入したITツール(=先に契約してから申請、は不可)
- 交付申請時においてITツールの利用金額が定められないもの
- 対外的に無償で提供されているもの
- リース・レンタル契約のITツール(一部サービスを除く)、中古品
- 補助金申請・報告に係る申請代行費、交通費・宿泊費、消費税
この中でいちばん事故が多いのが1つ目です。「もう使い始めているサブスクを、あとから補助金に乗せる」ことはできません。導入のスケジュールを組むときは、交付決定のタイミングを起点に逆算してください。
2-5. Claude の利用料は対象になるのか
ここが本記事でいちばん慎重に書くべきところです。「Claude の利用料が補助対象になる」と断定できる根拠は、本調査では確認できませんでした。制度の要件から整理すると、対象になり得るには少なくとも次のすべてを満たす必要があります。
- 日本国内のIT導入支援事業者が提供主体となっていること。
- その事業者が、Claude を含むソリューションをITツールとして事務局に登録し、審査を通っていること。
- 登録されたITツールが業務プロセス(共P-01〜各業種P-06)を1種類以上持つこと(汎P-07のみでは単独申請不可)。
- 「単一の処理を行う機能しか有しないもの」「恒常的に利用されないもの」等の登録対象外条件に該当しないこと。
- 交付決定後に契約・発注すること。
なお、2026年度からはAI機能を搭載したツールについて、登録申請時にその旨を申告し、ITツール検索画面でAI搭載の表示・絞り込みができる仕組みが設けられています。ただしこれは「AI搭載である旨の表示・検索」の仕組みであり、生成AIだから補助率が上乗せされるといった記載は確認できませんでした。
また、「Claude」名義のITツールが2026年度に実際に登録されているかどうかは、公式のITツール検索ページを本調査では参照できず未確認です。検討される場合は、事務局のITツール検索でご自身で確認するか、取引のあるIT導入支援事業者にお尋ねください。社内での使い方の設計や運用ルールづくりについては、Claude 法人導入支援のページでも整理しています。
2-6. 2026年度のスケジュール
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| IT導入支援事業者・ITツールの登録申請 受付開始 | 2026年3月30日(月)10:00〜 |
| 交付申請 1次締切(全枠共通) | 2026年8月25日(火)17:00 |
| 交付決定日 | 2026年10月7日(水)(予定) |
| 事業実施期間・実績報告期限 | 交付決定〜2027年3月31日(水)17:00(予定) |
※2026年8月時点の公式スケジュールページの記載にもとづきます。公式には「確定している募集回のスケジュールのみ公表」とあり、2次締切以降は未公表です。また公募要領本文には「補助事業の実施/実績報告期間:交付決定日〜6ヶ月間程度」との記載もあり、粒度が異なります。最新の締切は必ず公式でご確認ください。
3. 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)
もうひとつが厚生労働省の人材開発支援助成金です。こちらは「ツールを買う費用」ではなく「人を訓練する費用」に対する助成で、公募制ではなく通年で受け付けられる点が大きな違いです。締切回の概念がないため、自社の研修計画に合わせて動けます。
3-1. 助成率・助成額(令和8年度)
| 企業規模 | 経費助成 | 賃金助成(1人1時間) | 設備投資加算 |
|---|---|---|---|
| 中小企業 | 75% | 1,000円 | 50% |
| 大企業 | 60% | 500円 | ー |
| 1人あたり経費助成の上限(中小企業) | 10時間以上100時間未満=30万円/100時間以上200時間未満=40万円/200時間以上=50万円 | ||
| eラーニング・通信制の上限 | 中小企業 15万円/大企業 10万円(令和8年4月8日改正で引き下げ。訓練時間数にかかわらず一律) | ||
| 定額制サービス(研修サブスク) | 受講者1人1月あたり 2万円 | ||
※設備投資加算(50%)は、賃金要件または資格等手当要件を満たしたうえで、事業展開等に必要な設備・機器を導入した場合の加算です(限度額:1人あたり15万円・1事業所あたり150万円。2026年8月時点)。
※2026年8月時点。eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみで賃金助成は対象外です。1事業所が1年度に受給できる助成額は1億円が上限。最新は厚生労働省のリーフレット(PDF)でご確認ください。
3-2. 生成AI研修は対象になり得るのか
支給対象となる訓練の基本要件は、①訓練時間数が10時間以上、②OFF-JT(企業の事業活動と区別して行われる訓練)であること、③職務に関連した訓練で所定の類型に該当すること、の3つです。③のうち、生成AI研修に関係するのは「企業内のデジタル・DX化を進めるにあたり、これに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練」という類型です。生成AI活用研修は、この類型に該当し得る構造になっています。
ただし、除外規定が明確に置かれています。公式パンフレットには次の趣旨の記載があります。
- 単にデジタル機器を使用して文章・数値の入力や、書式・レイアウトの変更程度の初歩的な操作を行う内容のみの訓練は対象にならない。
- 単に既存のアプリやシステムを購入してその操作方法を習得する場合や、コンサルタントによる指導は対象にならない。
- 「自社の業務で用いる機器・端末等の操作説明」は、通常の事業活動として遂行されるものとして対象外の例に挙げられている。
つまり、「Claude の使い方を教わる講習」というだけの設計では、除外規定に当たる可能性が高いということです。逆に、自社のDX化の方針にもとづき、業務プロセスの見直しやAIを前提とした業務設計まで含む専門的な内容として組み立てられていれば、対象になり得ます。研修の設計そのものが要件充足の鍵だと考えてください。
3-3. 【重要】AIツールの導入費用を研修費として申請することはできません
厚生労働省の詳細版パンフレットには、「教育訓練機関等からの不適切な営業への注意喚起」という欄が設けられています。そこには「AI研修とAIツールの導入をセットで行うことにより、AIツールの導入費用についても研修費用として申請することができる」という営業トークが例示され、これに対して「AI研修費用は対象経費ですが、AIツール導入費用は対象経費ではありません」と明記されています。
したがって、Claude の利用料を本助成金の研修費として申請することは、公式に否定されています。もし「研修とセットにすればツール代も助成される」という提案を受けたら、その時点で内容を疑ってください。研修費と利用料は、契約段階から明確に分けて設計する必要があります。
※2026年8月時点。原文は事業展開等リスキリング支援コース 詳細版パンフレット(PDF・令和8年5月14日版)をご確認ください。
3-4. 申請の流れ(4ステップ)
- Step0:準備……職業能力開発推進者の選任、事業内職業能力開発計画の策定と労働者への周知。
- Step1:計画提出……職業訓練実施計画を作成し、訓練開始日の6か月前から1か月前までに管轄の労働局へ提出。事業展開等実施計画(様式第1-3号)、対象労働者一覧、カリキュラム等を添付します。定額制サービスの場合は契約期間の初日の1か月前までです。
- Step2:訓練実施……計画に基づき訓練を実施し、支給申請までに訓練にかかった経費を全額支払います。
- Step3:支給申請……訓練終了日の翌日から2か月以内に、支給申請書・OFF-JT実施状況報告書のほか、雇用契約書の写し、振込通知書、出勤簿・賃金台帳の写し等を添えて提出します。
※2026年8月時点。令和8年度は、eラーニング・通信制の経費助成上限の引き下げ、定額制サービスの支給対象要件の変更(修了した訓練の標準学習時間が10時間以上の労働者が対象)、設備投資加算の新設などの改正が入っています。最新は厚生労働省の制度ページおよび管轄の労働局にご確認ください。
4. 申請の進め方と、よくある失敗
4-1. 中小企業が取るべき順番
制度の情報を集めることから始める方が多いのですが、順番としては逆です。弊社がご相談を受けたときにお伝えしているのは、次の流れです。
- 先に「何の業務をどう変えるか」を決める。補助金は手段であって目的ではありません。目的が定まっていない申請は、要件に合わせて計画を後付けすることになり、結局うまくいきません。
- 費用を「ツール導入費」と「研修費」に分けて並べる。この分類が、そのまま制度の切り分けになります。
- ツール導入費は、登録ITツールとして提供できる事業者がいるかを確認する。ここで初めて補助金の話になります。
- 研修費は、DX化に必要な専門的知識・技能として設計できるかを確認する。操作説明だけの研修にしない、が要点です。
- 締切とスケジュールから逆算する。補助金は交付決定前の契約が対象外、助成金は訓練開始の1か月前までに計画届。どちらも「先に動いてしまうと使えない」制度です。
4-2. よくある失敗5つ
- 先に契約してしまう。デジタル化・AI導入補助金では、交付決定前に購入したITツールは対象外と明記されています。試用のつもりで年間契約を結んでしまうケースが典型です。
- 「AI枠がある」と思い込む。名称に「AI」が入りましたが、AI専用の独立枠は確認できていません。通常枠の要件で組み立てる前提で考えてください。
- ツール代を研修費に混ぜる。第3章のとおり、公式に否定されています。
- 操作説明だけの研修を計画する。「既存アプリの操作方法の習得」「コンサルタントによる指導」は対象外の例として明記されています。
- 採択・支給を前提に予算を組む。いずれの制度も要件審査があり、申請すれば必ず通るものではありません。自己資金でも実行できる範囲で計画するのが安全です。
4-3. 現時点で確認できていないこと
誠実に書いておきます。本記事の作成にあたって公式資料を確認した範囲で、確認できなかった項目は次のとおりです。いずれも「わからない」であって「できない」ではありません。
- 「Claude」名義のITツールが2026年度の登録ITツールとして存在するか(公式のITツール検索を参照できず未確認)。
- デジタル化・AI導入補助金の交付申請2次締切以降の日程(公式未公表)。
- 2制度の併用可否(一次情報を確認できず。一般に同一経費への重複補助は認められませんが、断定は避けます)。
- 人材開発支援助成金について、予算枠による年度途中の受付停止があるかどうか。
金額や締切を稟議書に書くときは、数値と確認日をセットで記載しておくことをおすすめします。制度は年度途中でも改正されます。
よくある質問(FAQ)
Claude の月額利用料は補助金の対象になりますか?
「対象になる」と断定できる根拠は確認できていません。デジタル化・AI導入補助金2026で補助されるのは、事務局に登録されたITツールの導入費用です。日本国内のIT導入支援事業者が提供主体となり、そのツールが登録され、業務プロセスの要件を満たすなどの条件をすべて満たした場合に対象になり得る、という構造です。サブスクリプション形式であればクラウド利用料は最大2年分が対象になり得ますが、交付決定前に契約したものは対象外です。2026年8月時点の情報であり、最新は事務局の公式サイトでご確認ください。
AI研修とセットにすれば、ツールの利用料も助成されると聞きました。本当ですか?
いいえ。人材開発支援助成金の公式パンフレットには、その趣旨の営業に対する注意喚起が設けられており、「AI研修費用は対象経費ですが、AIツール導入費用は対象経費ではありません」と明記されています。研修費とツール利用料は、契約段階から分けて設計してください。2026年8月時点の情報です。
「IT導入補助金」で検索したのですが、名称が違うようです。
2026年度から名称が変わっています。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」、通称「デジタル化・AI導入補助金2026」です。事務局は、ITツール導入にとどまらずデジタル化推進とAI活用の重要性を周知する観点から変更した、と説明しています。申請書類や社内資料では現行名称をお使いください。
申請はいつまでにすればよいですか?
デジタル化・AI導入補助金2026は、2026年8月時点で公表されている交付申請の1次締切が2026年8月25日(火)17:00、交付決定日は2026年10月7日(水)の予定です。2次締切以降は公式に未公表です。人材開発支援助成金は公募制ではなく通年の受付で、訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出する仕組みです(定額制サービスは契約期間初日の1か月前まで)。いずれも最新の日程は公式でご確認ください。
✏️ 山崎 将史より
この記事を書くにあたって、いちばん時間をかけたのは「書かないこと」を決める作業でした。補助金の記事は、書こうと思えばいくらでも景気のいいことが書けます。「Claude の導入費用が最大450万円補助されます」と書けば読まれるでしょうし、実際そう書いているページも見かけます。けれど公式資料を最後まで読むと、補助されるのは登録されたITツールの導入費用であって、Claude 単体の利用料が当然に対象になるとは書かれていません。厚生労働省にいたっては、ツール代を研修費に混ぜる営業を名指しで注意喚起しています。
弊社はこのコーポレートサイト自体を Claude Code で運用している会社です。だからこそ、Claude を売りたい立場で「補助金が使えます」と言い切ることの危うさもわかります。制度は使えるなら使ったほうがいい。ただ、制度に合わせて導入計画を作るのは順番が逆です。まず「どの業務をどう変えたいか」があって、その実現手段としてツールと研修があり、その費用の一部に制度が使えるかもしれない、という順番でなければ、採択されても現場では使われずに終わります。
弊社ができるのは、制度の代理申請ではなく、その手前の設計です。どの業務から着手するか、誰が管理者になるか、社内に何を教えるか。そこが固まっていれば、補助金を使う場合もIT導入支援事業者や行政書士との話が早く進みます。逆にここが曖昧なままだと、申請書類を書く段階で必ず止まります。
初回のご相談は無料・オンラインで承っています(全国対応・所要60分)。「うちの業務で生成AIが効く場所はどこか」「補助金を使うとしたら何から確認すべきか」といったご相談でも構いません。制度の申請そのものについては、要件や手続きが各社の状況で変わりますので、事務局・管轄の労働局、または申請支援を専門とする有資格者にご確認いただくことをおすすめします。