📋 この用語の要点(MGK編集部)
ファーストビューとは、利用者がページを開いた直後、スクロールせずに見えている範囲を指す言葉です。紙媒体の「折り目より上」を重視する考え方から広まり、Webでは読み進めるかどうかを判断される最初の領域として扱われます。スマートフォンでの閲覧が中心になった現在は、端末によって見える範囲が大きく変わるため、固定の高さではなく「最初に目に入る情報の優先順位」として設計する進め方が実務では一般的です。
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「ファーストビュー」とは
ファーストビューは、Webページを開いた直後に、スクロール操作をしないまま画面に表示されている範囲を指します。訪問者が最初に目にする領域であり、ここで受けた印象がその後の行動に影響するとされます。
もともとは、新聞を折りたたんだときに上半分へ見える部分を重視する考え方から生まれた表現です。英語では「アバブ・ザ・フォールド」と呼ばれます。Webでは端末や画面サイズが人によって違うため、決まった高さは存在しません。あくまで「訪問者ごとに異なる最初の一画面」と捉えるのが正確です。
なお、現場では「トップページの上部」という限定した意味で使われることもありますが、ファーストビューが問題になるのはトップページだけではありません。検索や広告からは、商品ページや事例ページに直接入ってくる場合があります。どのページも入口になり得ると考え、それぞれの最初の一画面を点検する姿勢が求められます。
ファーストビューに置かれる主な要素
業種やページの役割によって差はありますが、次のような要素が並ぶことが多いです。
- サイト名やロゴ、案内メニュー
- ページの内容を一言で示す見出し
- 見出しを補う短い説明文
- 主役となる写真や図、背景の映像
- 問い合わせ、資料請求、購入などを促すボタン
- 対応地域、営業時間、実績などの安心材料
端末によって見える範囲が変わります
同じページでも、パソコンでは横に広く、スマートフォンでは縦長の狭い範囲しか表示されません。さらに、ブラウザのアドレスバーや操作バーの分だけ表示できる高さが削られます。想定していたよりも見える範囲が小さくなる場合があるため、実務では「上から何ピクセルまで」と固定で決めず、重要な情報から順に上へ置く考え方が現実的です。
なぜ重要なのか
訪問者は、自分の目的に合うページかどうかを短い時間で判断します。探していた情報の手がかりが見当たらないと、本文を読む前に前のページへ戻ってしまうことがあります。ファーストビューは、その判断材料をまとめて示す場所だといえます。
特に初めて訪れた人は、その会社を知りません。何を扱っているのか、自分の地域や規模に対応しているのか、といった基本的な確認ができないままでは、内容の良し悪し以前に読む理由が生まれません。逆に、対象と提供内容がすぐ分かれば、以降の説明も受け取ってもらいやすくなります。
集めた人を取りこぼさないための領域です
広告や検索、チラシのQRコードなどで人を集めても、最初の画面で内容が伝わらなければ、かけた費用が成果につながりません。中小企業では使える販促予算に限りがあるため、新たに人を集める工夫と同時に、すでに訪れている人を取りこぼさない改善に取り組むほうが、費用に対する効果を見込みやすい場合があります。ファーストビューの見直しは、ページ全体を作り替えるよりも小さな範囲で着手でき、判断の材料も得やすい部分です。
実務での使い方・進め方
組み立ての手順
順序を決めてから作ると、関係者の意見がぶつかりにくくなります。おおまかには次の流れです。
- そのページで達成したい行動を一つに絞る
- 訪問者が抱えている疑問や不安を書き出す
- 「誰の、どんな困りごとを、どう解決するか」を一文にまとめる
- その一文を見出しに、根拠を補足文と安心材料に振り分ける
- 行動を促すボタンを、迷わない位置と文言で置く
- スマートフォンの実機で、狭い画面でも意図が伝わるか確かめる
発注側が準備すること、判断すること
制作会社に任せる場合でも、発注側が用意したほうがよい材料があります。自社の強みを示す実績や数字、想定している顧客像、他社と比べられたときの違い、使ってよい写真や資料などです。これらが揃っていないと、制作側は一般的な言い回しで埋めることになり、他社と似た見た目になりがちです。判断の場面では、「格好よく見えるか」ではなく「想定した顧客が三秒で自分向けだと分かるか」を基準に据えると、社内の意見も整理しやすくなります。決裁者の好みだけで決めない仕組みを、あらかじめ決めておくことをおすすめします。
よくある誤解と注意点
誤解: 情報を詰め込むほど伝わる
限られた範囲に多くを載せると、文字が小さくなり、どれが大事なのか分からなくなります。伝わる情報量は載せた量ではなく、目に留まった量で決まります。要素を減らし、余白と文字の大小で優先順位を示すほうが、内容が届きやすいとされます。載せたい項目が多いときは、下の段へ回す判断も必要です。
誤解: スクロールされないので全部上に置くべき
スクロール操作が当たり前になった現在、下まで読まれないと決めつけるのは早計です。上の内容に関心を持てば、読み進めてもらえます。大切なのは、続きがあると分かる見せ方をすることです。次の内容が少し覗いている状態にするなど、下へ誘う工夫も検討してください。
よくある質問
Q. ファーストビューの高さは何ピクセルで考えればよいですか?
A. 端末やブラウザの状態で変わるため、一つの数値で決めることは難しいです。自社サイトの閲覧環境の傾向を計測ツールで確認し、多く使われている画面幅を基準に、実機で確かめる進め方が現実的です。
Q. 大きな画像や動く背景は入れたほうがよいですか?
A. 目的に合うなら有効ですが、表示が遅くなると離脱につながる場合があります。写真の容量を抑える、読み込みの順序を工夫するなど、速さと見栄えの両立を前提に判断してください。
Q. 改善の効果はどう確かめますか?
A. 変更前後で、問い合わせ件数や、そのページから次に進んだ割合などを比べます。時期による差も出るため、一度の結果だけで判断せず、期間を揃えて複数回確認するとよいでしょう。